Heliamphora pulchella #2

H.pulchella ヘリアンフォラ・ プルチェラです。数少ないヘリアンフォラの専門書である『Sarraceniaceae of South America』の表紙を飾っており、ずんぐりとした草姿に、内側へ伸びる剛毛が非常に魅力的な種です。前回の記録(Heliamphora pulchella #1) は今年の1月9日だったので五ヶ月ぶりですね。こうしてだいたい半年に一度のスパンで規則ただしく記録を付けていきたいなと考えています。

H.pulchella Akopan Tepui
Y's Exoticaより購入したものです。これがもっとも出回っている産地でしょうか。なかなか大きくならなかったのですが、この初夏に開いた成葉がいままでより二回りほど高くなりました。

2014年1月8日
2014年3月27日
2014年6月8日
上の写真のようにやや大きめの葉が展開しました。それまでの葉は4cmそこそこでしたが、この葉は6cm以上あります。現地のもののような太い剛毛の生えたピッチャーへの一歩、といった感じでしょうか。この時期は陽が高くなるので室内栽培の我が家ではあまり色合いが良くならないですね……。


H.pulchella Churi Tepui
あんまり見かけないChuri Tepuiのものです。まだこれといった特徴も出ていないとは思うのですが、現時点でも上のAkopan Tepuiのものとは明らかに違います。
2014年1月8日
2014年3月27日
2014年6月8日
この記事の一番最初の写真が現在の株を俯瞰して撮ったものです。生長点も増え、葉数もだいぶ増えたのですが、背丈がなかなか大きくなりません(4月のはじめごろに植え替えたのでまだ根が張っていないのもあるかもしれません)。ネクタースプーンが内側へ傾かずに、むしろやや外側へ向いているのがAkopanのものとの違いでしょうか。本種はわりと産地ごとの差異が明確にあるようで、いつかはAmuri、Chimantaのものも栽培してみたいと思っています。

出回っているヘリアンフォラのすべてがWistuba由来のものだと思っていたのですが、この産地はBCPでしか販売されていません。以前のH.sarracenioidesの記事で、BCP由来のものがあまりH.sarracenioidesぽくない、というふうに書きましたが、どうやらあれはH.sarracenioides x purpurascensだということらしいです。BCPのサイトの表記によると、現地由来の種子からのクローンで、H.sarracenioidesとH.sarracenioides x purpurascensが混在している、ということでした。問い合わせたところ、やはり葉先が丸いものは交雑しているものだろう、と(むしろ、いまのところ交雑しているようなものしかありませんw)。これがネペンテスの自然交雑種だったらもっと騒ぎになるんでしょうけど、ヘリアンフォラだとなんとも地味ですw とりあえずAW氏だけでなくBCPも現地に種子を採取しに行ってるらしい、ということですね。

コメント

  1. 以前は、H.minor (Akopan,Chimanta)Coares hair とか言われてました。どうしてこれがminorなんだと、研究者に問いただしてみたりしました。w 仰るように、AkopanとChuri.Chimantaとはネクタースプーンの形状が違うように思います。以前はChimantaの物の方が入手しやすかったです。
    Amuriのは未だ幼葉ですがありますよ。

    >> ヘリアンフォラだとなんとも地味ですw
    わっはっは。w

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    1. 素人考えですが形が違えば別種でいいんじゃないかと思ってしまいますねw やはりネクタースプーンが違いますか。「Sarracniaceae of South America」には一枚もChuri、Chimantaのものの写真がなく、記述もほとんどないのでどう違うのか推測でしかなくて……。
      Amuriのもの栽培しておられますか! 内壁がつるつるの草姿は非常に印象的ですよね。個人的にやっぱりAmuriのものが一番おもしろいと思います。機会があればと思いつつAWからしか入手できないものは僕にはなかなか……。成葉が出たらぜひ記事にあげてください。

      日本ではネペンテス栽培のようにヘリアンフォラを手広くやっている方、少なくともネット上ではあまり見かけないですから……。とはいえ僕もまだまだまだまだ新参者ですが。ippai_attenaさんのブログを見たときに日本でもここまでされてる方がいるのかと感動いたしましたw

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  2. ヘリアンフォラについて詳しく書かれている貴重なブログを見て
    思わず書き込みさせて頂きました。

    私も去年の秋位にBCPからsarracenioidesを複数入れましたがその時はラベルもそのままsarracenioidesとなっていて
    当時幼葉でしたが成葉となった今は尖った蓋が立ち上がっており、残りの株も原種なのか現在確認中です。
    最近更新されたリストではH.sarracenioides x purprascensも混ざってると説明がありますね。
    交雑してる画像をネットで見ても尖った蓋に頭がぽこっと膨らんでなかなか面白い形で、それはそれで観賞価値が
    ありそうです。
    原種のsarracenioidesは成葉が出ても成長が非常に遅いので、雑種強勢されて成長が早いかもしれません。

    BCPは実生株のミックスをランダムで送ってくることが多いので、同じクローンなのか別固体なのかもう判別できません。

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    1. Spanielさん、
      はじめまして、コメントありがとうございます。
      ただ、単なる思いつきばかりのブログですので、何かあればご教授いただけるとうれしいです。

      BCPからのsarracenioides ですがこちらでは7、8株ほどありまして、そのうち3株は成葉が出ましたが、すべてピッチャー上部がややくぼんでおり交雑しているものと思われます。
      BCPがどのようにフラスコ管理しているのかわかりませんが、同時期にheterodoxa hybridsというものを注文しまして、それらも成葉になってきているのですが、いくつかはこれといった特徴のないもので、一方はionasiの血が入っているのか縦の葉脈がはっきり浮き出たものになりました。もしかしたらいくつかのフラスコから大きいものを選んで出している、といった可能性があるかもしれません(この商品について直接聞いた際には曖昧な対応をされましたが)。だとしたら未だ成葉の出ていない、成長の遅いものが原種かもしれないですね。成葉が出揃ったらまた写真を載せたいと思います。
      おっしゃる通り交雑種もおもしろい草姿ですし、これはこれでラッキーなのかも、と思っていますw

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    2. Sarraceniaceae of South America/McPherson etcにはH.purpurascens x sarracenioidesで載ってますね。はたしてこれが正しいのか、あるいは逆じゃないのか? の疑問も残ります。w その自然交雑にまたバッククロスなどがかかってもう訳わからん、ってのが正解だと思います。w ハイ

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    3. もはやpurprascensの項にある写真のうち半分は交雑しているように見えますねw どう掛かっているのかもわからないから単にアルファベット順でpurprascens x sarracenioidesと表記しているのかな、と。
      BCPがsarracenioides x purprascesとしたからには、見るからに原種sarracenioidesだという個体から種を採取したのでは、と思います。

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