Nepenthes jacquelineae #1

今日はやや雲が多く、暑いは暑いものの、うだるようなと言うほどではありませんでした。暑さ寒さも彼岸まで、とよく言います通り、あと1ヶ月で夏も落ち着くでしょうか。その後の電気代が……怖いですね……w

N.jacquelineae ネペンテス・ジャクリネアエ
2000年オーストラリアの植物学者Charles Clarke氏らによって西スマトラで発見された比較的新しい種で、種小名はClarke氏の妻の名Jacquelineに由来します(関係ないのですが、個人的にジャクリーンと聞くとケネディ米大統領元夫人のイメージがあっていい印象がしないのですw)。高度1700~2200m地点に自生する高山性種であり、その補虫嚢の水平に広がった唇が非常に特徴的な人気種です。スマトラ系の原種はそれぞれが他にない独特な補虫嚢を持っているので面白いし、ついつい集めたくなってしまいますね。

僕が栽培しているのはスリランカのナーセリーBorneo Exotics由来のもので袋全体が真っ赤に染まるタイプです(かつては他のバリエーションも入手できたらしいのですが)。現地ではむしろ赤一色や緑一色といった個体は多くなく、緑地に褐色の斑点が入るものが多いのだとか。
最新のピッチャーです。やや特徴が出てきたかな、という程度ですが……。やはりそれなりの大きさにならないとあの際立って広がった唇にはならないのでしょうね。
ひとつ前のピッチャーと比較してみると、これでもまだ唇がやや広がったり袋がやや尻すぼみっぽくなったりでN.jacquelineaeらしくなったのですがw
本種はN.inermisやN.jamban、N.tenuisなどと近縁なのですが、栽培は少し難を伴うらしく、大きくするには通年冷涼多湿な環境を要するとのことです。我が家でも気持ち過保護にしていて、ケースの奥まったところで、乾風や強光を避け、補助光ベースで栽培しておりますがやや葉が赤らんでしまいます。
それでも少しずつ大きくなっているのでまだこのままでいいかな、と(甘いか……)。

余談ですが、『Field Guide to the Pitcher Plants of Sumatra and Java』の表紙を飾っているのが本種です。この種がスマトラ系ネペンテスを代表する種ということでしょうかね。見れば見るほど不思議な形です。

コメント

  1. Nepenthes of Sumatra/C. Clarke には、緑一色、襟だけ赤、赤(というより褐色)一色と3種のN.Jacquelineが紹介されてます。以前は非常にお高いネペンでした。こうして見ると3色集めてみたくなりますね。わたしは3年くらい前に3本購入したのですが赤いのが3本来ました。w
    やはり成長は遅いです。3年では(私の腕では)どうにもならず、丈がちょっと伸びただけです。いつかはあの、びろ~んと広がった襟を見たい物です。

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    1. 『Nepenthes of Sumatra』気になりますが、絶版なんですね。やはりField Guide to the Pitcher Plantsではいまいち物足りずw しかし、3本購入して全部赤いとなると、やはりもう赤いものしかないんでしょうか……。lowii、hamataなどはあれだけクローンがあるのにスマトラ系は少なくてさみしいですね。
      なるほど、やはり成長は遅めですか……。うちのものがあの特徴的な袋をつけてくれるのは一体いつになるのか、不安になります。難物は忍耐! と自分に言い聞かせて、育てやすいもので気を紛らわせますw 目下、愚図らせないことを目標に……。

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  2. ジャクリーン・・・

    私が最も美しいと想ってる原種。 
    私が高山性原種にのめり込む切欠になった原種です。
    子供の頃から食虫を程ほどにやっていましたが、マニアに至る事はありませんでした。
    しかし本種の存在を知った時に、そして手に入ると知った時にどうしても栽培したい!と想って高山性ネペンテスの栽培システムを作り始めました。
    懐かしい。 そして永遠の憧れです。

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  3. 僕は幼いころから生物が好きで、食虫植物についても文献をネットで読みあさったり栽培を試みたりしていたのですが、本格的に始めたのは大学進学と一人暮らしがきっかけでした(両親も植物が好きでしたが、植物を暖めたり冷やしたり、といったことは考えられない、というような人でした)。
    もともとヘリアンフォラを中心に栽培していたのですが、小学生時代にネットで見た、緑一色で唇もない不思議なネペンテスの写真がずっと記憶にあり、調べた結果N.inermisという種だと知って、そこからネペン栽培に足を踏み入れることになりました。数年間一度もウツボカズラの写真を見なかった時期もあったのに、一度魅かれたものはずっと忘れることはないんだな、と実感します。
    きっかけとなった種はいつまでも思い入れ深いものですよね。僕はN.inermisのアッパーが一番の憧れです。

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