Nepenthes ventricosa alba #1

N.ventricosa alba ネペンテス・ベントリコーサ・アルバ
N.ventricosaはフィリピンのLuzon、Panay、Sibuyan各島標高1000から2000mに自生する高山性ネペンテス……なのですがハイランド感のないとても強健な種です。種小名の由来は調べたところいくつかありまして、『Field Guide to the Pitcher Plants of the Philippines』によると、ラテン語venterより、腹、胃ということなのですが、Wikipediaのほうではventricosus「一方に膨らみを持つ」となっています。由来はひとつじゃないんですかね。響きから考えるとventricosusのほうが相応しいのかもしれないですが、個人的には「胃」のほうがしっくりくるのでventerを推したいです。
成長は高山性ネペンテスのなかでは非常に早く、うちの環境でも二週間に1枚の葉を展開します。袋が付きづらいという声も聞きますが、我が家でもその傾向がありまして、2、3枚くらい葉を展開してからそのうちひとつに付く、というのを繰り返しています。春先に付きやすいとか日照量の問題だ、とも聞きますが、どうなんでしょうか。この株は特に季節性はなく、月に1個ずつぐらい気まぐれな感じで着袋しているようです。それ以外はやっぱり丈夫な種なのかな、と実感することも多いですね。鉢が軽々とするくらい乾かしても多少過湿ぎみでも成長が緩慢になることもなく。その分やや適当な扱いなので少し改めねば……!

新しく開いた壷の透き通るような開口部が個人的に好きです。
古いものはまた色が変わって、下の写真のようになっています。
かつてはホームセンターでよく販売されていた種だったと聞きますが想像つかないですね。小学校の高学年くらいの時期に親に頼んで新宿伊勢丹デパートの屋上(今はもう何もなくなってしまいましたね……)でクリーム色の本種を買ったことがありまして、そのまま高校生くらいまで実家にありました。大学受験前後は植物のことは全くもって抜けていたので、気が付けばなくなってしまったなあ、という感じです。温室もなく、部屋に取り込んだような取り込まなかったようなw ただ、霜の下りない場所ではあったかと思います。それでも枯れることなく春夏には大きな壷をいくつかつけていました。高校生のときはネットで食虫植物のことを調べることもなかったので、あのベントリコサがいわゆる在来系だったとは知りようもなく、現金ですが知っていたならまだ家にあって大切にしたかもしれません。
それで後々入手したこのベントリコサ・アルバですが、まだ若い株だからでしょうか、袋の内側まで真っ赤。昔栽培していたものはもっと白かった記憶があります。ただ現在はリーフスパン30cmあるかないかですので、もっと葉が広がり茎が伸びれば色は抜けてくる、のかも。もちろんアルバも在来系もいくつかあるようなので一概には言えないのですが。懐かしい思い出のある種なので、今度は気付けばなくなっていた、なんてことにならぬよう大切にしていきたいなあと思っています。

コメント

  1. 新宿の伊勢丹、懐かしいです。伊勢丹とは如何にも場違いな人たち(1FからエレベーターでRF直通で行くようなひとたち)とあそこでオフしたり。w Aさん(店長さん)今頃何をなさってるんでしょう。例のヘリアン本にventridosusがよく出てきましたので、あこれがベントリコーサの語源だな、と一人納得してました。10数年前でも、ホームセンターでは見たこと無かったです。それなりのルートでしか入手できなかったですね。赤斑点はありましたけど。
    供給元がなくなると、こうも。。という良い例でしょう。w 私もアルバ欲しいけど未だ入手には至ってないです。在来、挿し木してますので、来年には。。

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    1. 1FからエレベーターでRF直通で行くようなひとたちw たしかに伊勢丹屋上は異常にマニアックな雰囲気だった記憶があります。あの品ぞろえは店長さんの一存だったからでしょうか、今はただのおしゃれな庭園になってしまっていてさみしいです。いま東京には食虫植物を年中扱っている園芸店はないのかもしれないですね……。
      10数年前でもすでにありませんでしたか!20年ほども前に生産が途絶えてしまったのでしょうか。だとしたら、むしろ今に至るまで維持されて僅かながら流通もしていることのほうがすごいかもしれないですね……!なんだかんだで在来系は長く愛されて幸福なネペンだと思います。挿し木、もし余るようでしたらぜひともよろしくお願い致しますw

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