Heliamphora purpurascens #1

H.purpurascens ヘリアンフォラ・プルプラセンス
南米ベネズエラのテーブルマウンテンPtari Tepuiの山頂付近2400~2500m地帯にのみ自生するヘリアンフォラです。
Wistuba、A.Fleischm、Nerz、S.McPhersonらによって2011年に記載された、比較的新しい種です。種小名purpurascensはラテン語の動詞purpuroの現在分詞purpurascoに由来し、「紫になる」という意味らしく、その名の通り現地画像などで非常に濃い赤に染まった草姿が見られます。当初、Ptari Tepui探検時に発見されたヘリアンフォラはheterodoxaとされておりましたが、その調査は2200m地点までに限られていたようで、その後ヘリコプターによって頂上までの調査がなされて、2400m以上の頂上付近に自生する個体群をheterodoxaとは区別してpurpurascensとしたようです。

にゅるっと大きなネクタースプーンをつけて面白いなと思い、今回記事にした次第です。
Ptari Tepuiの頂上付近は他のテーブルマウンテンに比して平らで、植物は所々のくぼみに小さい山を作って密生しているようです。本種も多くの場合、何にもさえぎられることなく強烈な雨風、太陽光に晒されているらしく、同じような厳しい環境にあるH.elongataに似て、深く色付き、基部は木質化して大きなネクタースプーンになることが特徴、……ということが『Sarraceniaceae of South America』に書いてあったと思いますが、きちんと精読したわけではなく寝る前にごろごろ読んでいただけなので多少の誤りがあるやも、と思います……。

2014年6月8日
AWからのもので、なかなか大きくならずも、ぼちぼち成葉を展開し始めてきました。

2014年11月6日現在
涼しくなってから一回り大きくなりました。上の写真の成葉がほとんど同じ角度で下の写真にも写っているので比較しやすい。ネクタースプーンもだんだん大きくなってきました。本種とH.sarracenioidesのみ自生標高の下限が2400mと、ヘリアンフォラの中では最も高いため、やはりできるだけ涼しいのが好ましいのでしょうか。この二種はやや繊細な気もします。

そういえばゴッドと名高い兵庫フラワーセンターの土居先生の本が発売されたらしく、先週、くじ引きで当たれば食虫植物もおまけで付けてくれるという渋谷の書店を覗いてきました。店内のちょっとした特設スペースにすこしサラセニアやドロセラがあり、まぁこんなものかと思いきや、むしろたくさんのチランジアが。なぜかと思えばどうやらブロメリアの本も同時販売なんですね。とはいえ、渋谷の真ん中に食虫植物とブロメリアが並んでいるのは何とも言えないものがありますw 

昨晩、この記事をアップしようとしたらまさしくちょうどBloggerにアクセス障害が出ていて、「あっこれ記事消えちゃたか」と思いましたが、自動保存で無事でした……よかった……。記事を書くときはこまめに保存、肝に銘じます。

コメント

  1. うう、流石です。うちのAWのH.purpurascensは、つまようじみたいなまま枯れてしまいました。
    で、ずるをしてY'sさんより成葉のやつを。。ちょいと暗がりにおいてあるので緑のままです。
    Ptariのheterodoxaは、これだったのじゃないか、と思ってます。最近販売しなくなったですね。買っときゃよかったです。。
    AW氏はteteiのred formのフラスコ、だめにしたらしいです。むう、もっと大事にしりゃよかったぁ。。。


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    1. purpurascensは何だか神経質な感じがありますね。もっと小さかった時に水苔の劣化に道連れにされそうになったことがあります。
      ヘリアンフォラの流通はAW氏次第なところがありますね。tatei redは惜しいです……。いろんなサイトを見ているとAWのneblinae redとかnutans x ionasiとか今はもう入手できないものも少なくなく。まだリストにあるtatei x nutans Giantが長く気になっていますが、全くAvailableになる気配もなくこのまま消えてしまうんじゃないかと心配です……。

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  2. AWのpurpurascensはネクターキャップがかなり深く被るんですね。数年前入れたBestCPの個体は実生由来だからなのかsarracenioidesが掛ったようにあまり深く被りません。色は赤黒くなるんですが。。ある程度大きくなるとtateiのように生長点がどんどん上がって筒が細くなっていくので、中株ぐらいが一番見頃な品種に思います。

    CKからnutans x ionasiiを入れましたがほとんどionasiiといった感じで、交配種の割にionasiiのように成長が遅く脇芽もあまり出ないからなのか、ほとんど普及しないようです。赤系の品種は栽培環境のちょっとした日照次第で色が出たり出なかったりするので、単に個体差という程度にしか最近思わなくなってしまいました。。

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    1. うちにもBCPのものがあり、やや形が違うのは感じていたのですが、ステージの違いだと思っていました。たしかにBCPは実生由来でしたし、現地写真を見ると本当にいろんな個体があるのでまた全然違う形になればいいな、と。
      生長点が上がっていきますか!僕はまだまだそこまで大きな株に仕立て上げた経験がないので、それはそれで楽しみです。

      僕が以前記事にしたnutans x ionasiもCKのものですが、本当にionasiにしか見えない感はありますね……。海外のnutans x ionasiの名前で出回っているもの(http://1.bp.blogspot.com/-VCoSlEcLPYo/U8aj-ELU9XI/AAAAAAAAHrM/pTECLCMCCEI/s1600/P1460655.JPG)はもっとネクタースプーンが大きくて、開口部もそこまで捲れない印象です。うちでも開花してようやく生長点が増えたぐらいですし、CKでももうリストにないですね。一体どこから仕入れたものなんでしょうか……。
      色に関しては同感です。同じ栽培環境で同じ品種でも色付きに差が出たりしますね。株の状態で違いが出るのだろうと思うので、個人的に色付きは健康のバロメーターのひとつと捉えてます。

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