Nepenthes ramispina #1

栽培環境について尋ねられることもあったため、一応簡潔にではありますが右端のサイドバーにページをちょっと……(ごく普通なので何の参考にもなりませんが……!)。環境が変わったら書き加えるなり修正するなりしていこうかな、と(携帯やスマホだと表示されないみたいですので、リンクを一応)。

N.ramispina ネペンテス・ラミスピナ
マレー半島Titiwanga西部の山々、標高900-2000mに自生する、(中)高山性種で、種小名はラテン語ramus=branch、spina=spurに由来し、branched spurすなわち分岐した距ということになるのですが、距のある花を咲かせるわけでもないのに変だなと調べてみたところ、Wikipediaの末文に
In tropical pitcher plants of the genus Nepenthes, the spur is a small appendage at the base of the pitcher lid.
とありまして、ネペンテスの場合例外的に蓋の根元にあるあの小さな突起のことを指すようです(わかるわけない……)。自生地では下位袋で長さ22cmにもなるらしく、思っていたよりも大きな品種のようです。かつてはN.gracillimaと混同されたそうですが、下位袋が全く異なっていたり(ramispinaは細く黒い)、自生地が分断されていたり、先に示したようにspurの分岐などで今では全く別種として区別されています。

これがramispinaの名前の由来にもなったspurの分岐ですね。たしかにこの部分、多くのネペンテスは一本だけひょろっと伸びていることが多いように思いますが、本種は三本ありそして枝分かれしています。この枝分かれは最高で10回にもなるそうですが、そもそもこの部分は一体何のためにあるのか、それとも何かの名残なのか……。
写真のピッチャーが開きました。N.ramispinaの魅力は何と言っても黒い袋筒と淡い翡翠色の内壁のコントラストだと思います。中国皇帝が翡翠に覆われて埋葬されるという話を聞いてから、何となくこの壷の色合いにも高貴な印象を持つようになりました。美しい種ですが、地味といえば地味かもしれないですねw

2014年12月7日現在の草体
西日が差し込んでくる時間帯に撮ったため、やや全体的に黄みがかっていますが、赤い葉をしています。比較的水を好むような印象がありまして、またやはり赤いだけあってとりわけ他の種より光が必要な気もします(一時的にやや薄暗いところに移したらピッチャーのサイズがすぐに半分ほどに落ちました)。葉の展開ペースは月に1枚弱ほどで遅いわけでもなく特別早いわけでもなく。この種は個人的に、大きくしたいというよりも袋を鈴なりにさせたいと感じる種です。

コメント

  1. N.ramispina、なるほどそういう語源があるのですか。これもいまいち人気の伸びないような。w
    わたしは好きです。JCPS会長さんらが、故越川さんとゲンチンへ行った時、ホテルの廻りにぼこぼこ生えてました。これと、マクファラネイ、サンギネアの3種とそれらの交雑種が、まさに雑草のようにあるビデオを衝撃の思いで見た記憶があります。(その頃はグラシリマ、でした)
    おっしゃるように綺麗グリーンと黒褐色の対比が美しいです。いつか入手したいリストに入ってます。

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    1. 種小名にはやっぱりそれなりの意味合いがあると思うのでいつも調べるようにしています。自分では気づかない特徴が由来だったりして楽しいですね。いまいち人気がない種ですが、やっぱり他にない綺麗さがあるので持っている人は持っているような気もします。

      もしかしたら何か写真があるかもとJCPSのサイトを覗いてみてゲンチンホテルの画像を見つけたのですが、非常に大きなホテルなんですね! 相当開発されている印象でしたのでネペンテスがぼこぼこ生えているとは想像しがたいです。温室で大切に育てている植物が雑草並みとは、夢のような場所ですねw

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    2. 道路が切られた、その法面にたくさん生えてました。それを見て先駆植物、なるほどなぁ、と納得しました。

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    3. 千葉でモウセンゴケが法面にびっしり自生しているのを見たことがあったため、先駆植物はモウセンゴケのイメージでした。ネペンテスは林床の自生する写真を多く見るのでそういう面があるとは意外な印象です。今は鈍いうちのramispinaも先駆植物ばりにぐんぐん育ってくれたらなぁ、とw

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  2. 栽培記事いいじゃないの!!
    てか、防水PCファンなんてあるの?知らんかったがな( ・`ー・´) + キリッ
    てか、すんげー画像綺麗ですねw。
    ミズゴケの色が生えていて驚きました。
    これは生ミズゴケ単体でしょうか?それとも鹿沼の上に部分的に生ミズゴケをのせているのでしょうか?

    うん、N.ramispinaについても何かコメントしようかと無い頭ひねって必死に考えたのですが、何も思いつきません。
    自分の好みでない女の子をヨイショしろと言われてもきつい感覚に似ております。
    すいやせん(´・ω・`)

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    1. コア内部まで水洗いできる、という触れ込みでした。やっぱり防水じゃないと気になるので……。
      現在使っているPCファン
      http://www.abee.co.jp/Store/product/NANOTEKFAN_NT12.html
      もう1年以上持っているので防水が活きている、、、かも知れないです。

      生水苔はそのまま用土のものもありますが、ある程度大きな鉢では乗っかっているだけです(ヘリアンフォラ栽培のほうで余った水苔が元々なのですが)。僕は濡らして栽培する方なので、水苔の色や乾き具合が分かりやすいバロメータになって光や水加減を調整しやすいです。生きた水苔が土中の水分を吸い上げて蒸散してくれるので通気を取っても湿度が保ちやすくて、また陽イオンと水素イオンを交換して周囲の土壌を酸性化してくれるのもプラスかと。(WW1時には外傷の湿布薬にされるくらい抗菌力が強いのでカビや藻も今のところは避けられてるかな……と思っています)
      海外では生水苔が非常にポピュラーですし、やはりそれなりの理由があるのではと思いつつ利用していますが、よく伸びるためカットしたりと世話の手間は増えるので実際は微妙な面もありますw

      >自分の好みでない女の子をヨイショしろと言われてもきつい感覚に似ております。
      これはw 非常によくわかります。僕はそういうとき「性格良さそうな子だね!」と言うようにしていますw

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  3. ゲストブックがエラーになってしまいます。
    最近のヤフーはエラーが多いです。
    申し訳ないのですが、ヤフーブログに一つだけ空欄の記事を新規投稿していただけないでしょうか?
    内緒コメントを書き込みたいと思います。

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  4. ああ、すみません記事があったのですか。
    そちらに内緒コメントで書き込みますので宜しくお願いします。

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    1. すみません、確認しました。
      たしかにヤフーはエラーが多いですね、コメントが毎回エラーで消えるのでいつもwordで下書きしてからコメントしています……。

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