Heliamphora heterodoxa Gran Sabana #1

前回の更新から二週間、いや三週間近く空いてしまいました……。また例によって大学の試験でありまして……。ひと段落したのでこれでたくさん更新していけたらいいなぁ、と。

H.heterodoxa ヘリアンフォラ・ヘテロドクサ
本種は良く知られたヘリアンフォラで、種小名はheterodoxusに由来し、「別の考え、認められた基準とは違う」ということを意味します。Julian A. Steyermark氏に発見された際、本種がそれまでに発見されていたminorやtateiとは明らかに異なることからそのように名付けられたそうです。Ptari Tepuiと、テーブルマウンテンを降りてGran Sabanaにも自生しています(本種とH.ciliataだけですね)。
これはWistubaではなくBestCarnivorousPlantsから入手したものです。

俯瞰
H.heterodoxaは個体差の大きな種のようで、現地画像を見ますと、ネクタースプーンが傘のように大きいもの、爪のように長く突き出たものなど多様です。しかし、かつてはH.glabraやH.purpurascens、H.exappendiculataまでも本種に含まれていたというのはやっぱり違和感がありますね。

BCPは個数1で何株か入っていることが多く、heterodoxaの場合も数株入っていました。
およそ1年前、2014年3月27日の草姿
本日、2月10日撮影
(横に長い写真を大きく張ると、記事に表示されたとき左右の外枠に合わせて画像が押しつぶされて縦横比が変化してしまうので、ちょっと小さめに張っています。クリックで多少大きく見れると思います)
標高の低いGran Sabanaに自生しているため、他の原種より暑さに強く、栽培は容易だと言われています(ただ、たとえば栽培が簡単だと言われているminorやpulchellaこそ、栽培下で現地のような大口で太い草姿にするのが難しい種類という印象がありますし、多くの人が言う容易がどういうベクトルなのかは疑問が……)。とはいえ、本種は「ヘリアンフォラらしさ」の強い種で、魅力的だと思います。

こちらは小さな株をまとめて植えていた鉢ですが、幼葉が小さい段階で成葉へと移行したものです。上の写真の株は成葉が初めて出てから数枚といった段階で、こちらも段階は同じなのかもしれないですが、成葉のサイズは上の半分以下です。
大きく育った幼苗の出す成葉のほうがはるかに大きくその後の拡大も順調ですが、こうして幼いうちから成葉を出した株はその後のステップアップ自体も時間がかかる印象があります。早い段階で成葉を出すことが必ずしも後々に良いとは言えないように思いました。同じクローンなのに、成葉を出すタイミング、というか成葉に至る際の幼苗のサイズがこれほど違うのは、やはり寄せ植えをしたか否かの差でしょうか。

以前記事にしたヘリアンフォラの実生ですが、芽が……出ませんでした……!秕には見えなかったんですがね。。。

コメント

  1. 以前は、historical speciesみたいな感じでnutans,minor,heterodoxa,tatei,ionasiのどれかに当てはめていた、という感がありましたのでそんな事が起きてました。ある先生に「どうしてH.heterodoxaだけがテプイを降りることができたのですか?」と質問したことがあり、先生もわからない、と答えておいででした。
    それにしても生長スピードが早い。BCPの小苗を一年で成葉ぬするとは。。マイリマシタ
    種子残念ですね。うちのも出ませんでした。なにか工夫しないと、かもです。

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    1. 2000年過ぎから細分化が進んだのは独特なfolliculataやsarracenioidesの発見のせいもあったんでしょうかね。テプイは沢山あるし交雑も進んでいるようなので大変そうです……。
      heterodoxaが他のヘリアンフォラと比べて何か違うという印象もあまりないですし不思議です。降りたのではなくもともとあったんじゃないかなと思ったりします。

      生長早いのでしょうか、heterodoxaは初めての栽培なので手探り感がありますがありがたいことです……!
      種子はジベレリンを使うくらいしか思いつかないですね……。ただ受粉からうまくいっていなかったような気も。。。

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