Nepenthes lowii #2

最近東京は曇りばかりです。東海地方が梅雨入りしたそうなので関東も秒読みでしょうか。5月の時点では今年は空梅雨で冷夏になる、という予報をよく聞きましたが結局長雨の気配がありますね。そういえばBCPSがオープンしましたが、Heliamphora pulchellaにあれだけ色々なクローンがあるのは一体どういうことなんでしょうか。うちのH.pulchellaは一体どれなのか、あるいはどれでもないのか……。

N.lowii ネペンテス・ローウィ(ローウィアイ)
本種は1859年に記載されたボルネオ島の固有種で、種小名は本種を発見したイギリスの植物学者Hugh Low氏に因んで名づけられました。Trusmadi、Kinabaluなどの広い範囲の山々標高1650-2600mに自生する高山性ネペンテスであり、尿瓶にも喩えられる独特の上位袋はやはり多くの栽培家の心をつかむものと思います。

前回の記録が2014年6月1日なのでちょうど一年ぶりになりますね。一年の成果はあるのか、と問われれば怪しいところですがw ちょっと大きくなったものをいくつか。

N.lowii Mt.Kinabalu
2015/1/3
2015/6/8
Malesiana Tropicals由来のもので、春になり陽が長くなったのが要因か、一足飛びに大きくなってくれました。一年中4月だったら良いのに、と植物を育て始めてから思うようになりました。さて15cmだったものが一年でおよそ22、3cmおよそ1.5倍になったと考え、アッパーピッチャーのつくサイズが直径50cmとすると、1.97年後にアッパーがつく計算です。約2年後だと考えると希望が湧いてきますね!w(じわじわ大きくなるわけでもないし、実際そんなうまくゆくべくもないでしょうが……。)

蓋裏の毛を近接撮影してみました。これを撮ったから今日はN.lowiiの記事を書こうと思った次第です。拡大してみると毛と言うよりも棘に近いですね。

N.lowii Murud
こちらは昨年Wistubaより輸入したMurud産のN.lowii。本種は各山ごとになんとなく個体差がありますが、個人的にはMulu、Murud産のくびれがきつく袋筒下半分が丸く大きくなるひょうたん然とした形が好きなので、大きくなるのがとても楽しみな個体です。
2014/12/30
2015/6/8
小苗が小苗の域を出ないサイズアップですが、とりあえず第一歩、です。いつ枯れてもおかしくないようなミクロな苗なので気が抜けないですね。

N.lowii Trusmadi seed grown
これは一昨年にY's Exoticsさんから購入した実生個体のN.lowii(Trusmadi)です。前回記事にしていませんでした、いや特に理由はないのですが……。
2014/8/4
2015/1/3
2015/6/8
これが一番The leaf jumpという言葉に適う成長を見せてくれたかもしれません。現金ですが、実生個体だと思うと、少しだけ栽培の緊張が増しますね。この個体は幼苗ということを差し引いても同サイズのN.lowiiに比して大きめピッチャーをつけてくれるようなので大事にしたいです。下の写真は、上に載せた植物体の上方向へ出ている葉についたもので3.5cmほどの大きさがあります。

他にMulu産、EP Trusmadi産があるのですが長くなりすぎるので……。3月4月の陽光を受けて育ったN.lowiiが全て示し合わせたように大きな葉を出したのは偶然ではないのでしょう(rajahも同様です)。LEDで通年同じだけ補光し、およそ一定の温度に保っているのですが、こうして季節に左右されるのを見ると熱帯植物であっても生育サイクルの存在や太陽には敵わないなということをふと感じます。(実際、東南アジア、南米の蘭であっても雨季乾季等の関係でサイクルがあり、国内に輸入する際にも活着しやすい時期とてんで駄目な時期とがあるらしいですね。同じところに生きるネペンテスにもネペンテスの時計があるんでしょう。)

次のN.lowiiの栽培記録もまた1年後くらいだと思います。どんなふうになっているのか、ハイランドネペンテスは楽しみよりも不安が勝りますね。計算値では次の次の栽培記録でKinabalu産のアッパーピッチャーが紹介出来ているはずなので乞うご期待!w

コメント

  1. どれも見事にleaf jumpですねぇ。さすがです。
    うちのはTrusmadiと産地なしの2株が、ロアには間違いないのですが細長くなって中央部がくびれた袋を付けました。インターメディアに近いのでわ、、とドキドキしてます。

    私は一年中6月ならいいのに、、と夢想しております。w

    返信削除
    返信

    1. このまま大きくなってくれるかは不安ですが、とりあえず階段を一段上ったのではないかな、と思っています。
      あの立派なTrusmadiですね!憶えています。それは楽しみですね。インターメディアの襟や蓋裏の長い剛毛が残る感じは上位と下位のいいとこ取りだなぁといつも思います。

      一年中6月なら何でも屋外栽培できてしまいますね!w しかし僕は梅雨の低気圧で蕁麻疹が出る謎体質なのでこれからの季節はちょっと憂鬱です……。

      削除
  2. ネペンテス・ローウィは下位袋も上位袋も魅力があると思います。蓋裏の毛は面白いですね。leaf jumpはすごいです。栽培がお上手ですね。

    返信削除
    返信
    1. N.lowiiはやはり憧れの原種でした。僕は下位袋も上位袋も同じくらい好きです。上位と下位で全然形が違うからこそ、それぞれ違った魅力がありますね。
      いえ栽培は決して上手くはないです……。Trial &errorの繰り返しですが、枯らしてしまわなければいずれ植物が頑張ってくれる時が来るような気がします。

      削除

コメントを投稿