Nepenthes lowii x ventricosa-red EP #1

「毒を薄めると薬になる」という話がありますが、普通ホメオパシーや抗体などを想像しますよね。最近水の構造研究について読むことが多いのですが、そのうちの一つについて簡単に言えば、毒によって水分子の構造は変化し、構造が変化した水分子に触れた水分子の構造が変化し……と連鎖的に影響が及び、一滴の毒でプール一面の水分子の構造が変化する、ゆえに「毒を薄めると薬になる」というのは「毒で変化した水分子の構造」を飲んでいることになるのだとか。どう読んでもトンデモ科学っぽいのですがw歴とした論文です。今日も水を遣りながらこういったことを思い出したのですが、物質系の研究は突き詰めるとまるで哲学的問答をしているような気がしてきますね。ネペンに純水が良いのは水ポテンシャル値が高いのもあるんだろうな、だとか、肥料を混ぜた水だと構造も変わるのか、だとか、答えなどわかるはずもないのにぼんやり考えてしまいます。……なんの話だ……。

N.lowii x ventricosa-red
いまさら何を説明したらよいのか、というほど良く知られた交配種ですね。Exotica Plants作出の品種のなかでも一、二位を争う名品だと言われています。交配種にはその派手さ、その強健さ、など評価のベクトルが違って簡単に比較できないと個人的に思いますが、この品種は鮮やかであり強健であり、原種的な野趣も残したオールマイティな種かもしれません(というのは褒めすぎかもしれないですがw)。
N.lowiiの血を色濃く受け継いでいるためか、真っ赤な大口を広げ、壺の真ん中あたりでくびれています。多くのN.lowii交配種の上位袋はたいてい大口で尻すぼみと基本的なフォルムはどれも似たり寄ったりな一方(もちろんそれが良い形であることには変わりないのですが)、これは壺下部にふくらみが残るあたりが個人的にはこの品種の個性だと思っています。
N.lowii譲りの毛は数本。N.lowiiが片親の交配種は必ず多少は生えてくる気がしますが、量は品種によってまちまち。うちのN.lowii x boschianaは右と左に必ず一本ずつ長いのが生えますw
挿し木苗なのですが、入手して2,3枚展開したらすぐに花芽が伸びてきました。雄、だったような。その後、葉のサイズは半分くらいまで落ちましたが、すぐにサイズを取り戻していきました。

2015/6/28
うちのはY'sさんから入手したものです。強健ゆえ葉の展開も早く、背丈が高くなるスピードも速いです。我が家の狭いワーディアンケースでは葉の隙間隙間に吊り鉢のピッチャーがぶら下がり、非常に窮屈でかわいそうなのですが、なるべく切らずにしておきたいものです。
僕がこれを入手したときはやはりレア種で貯金して「どうにか入手できた……」と思ったものですが、最近はあちこちで販売されていて、EPからも挿し木苗がどんどん出ているのでいくらか普及したような印象があります。とはいえ絶やしたくない品種ですね。

コメント

  1. 「一樽のワインに一滴のドブ水を加えると、一樽のドブ水ができあがる」 みたいなもんすかねぇ? たぶん違うなw
    日本の水道は優秀ですので、私はそのままでいいんじゃないか、と思ってます。欧州や豪州の方々は結構苦労されているようですが。

    早く大きくなれー、と思う反面、すぐにでかくなりやがって、と嘆く。ワーディアンケースは辛いですなぁ。www



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    1. いえいえ、仰る通りだと思います。一滴のドブ水で腐りが浸透してゆくイメージです。水はありふれているのに謎の多い物質らしく面白いです。
      海外の水はびっくりするほど硬度が高い場合もありますね。僕はRO水を利用しているのですが、半ば水苔のためみたいなところがありますw

      手間をかけて育てているはずなのに育ちすぎないように思っている種もあってまさにアンビバレントな感覚ですw 水やりの際の出し入れがまた大変で、ケース内はファンが回っているため袋芽が巻き込まれて駄目になってしまうことも多々……。

      パワーポイント拝見しました!ありがとうございます。十年以上前にこういった食虫植物の紹介を見てわくわくしていた頃の感覚を懐かしく思い出しました。本当に色々栽培されていることに驚いたのと、やはり立派なヘリアンフォラにため息です。こうして見るとピンギやドロセラも色々育ててみたくなりますね。

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  2. 凄く立派に栽培されてますね!見習いたいです。。(>_<)
    AKIGOさんの所ではほとんどのネペンが水苔植えのようですが、植え替え時の問題などはどう考えてますか??潅水に使う水も水苔を長持ちさせるようにRO水など使ってるのでしょうか?

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    1. コメントありがとうございます。
      いえいえ、ブログのほう拝見しておりますが、むっくーさんの立派な栽培品の数々には遠く及ばず、憧れるばかりです。。。

      生水苔植えと表面のみ生水苔のものとで1:4くらいですね(分けていることに特に理由はなく、フィーリング、あるいはその時手元にあったもので植えているだけですが)。水苔植えの方はパーライトを多めに混ぜ込んで植えているので単用に比べて崩れやすく、今のところ植え替えで大きな問題になったことはないです。
      生水苔を利用しているので潅水はRO水です。(都心あたりの水道水では生水苔が育たなかったので……)。ネペンテスにRO水の効果が大きいのか分からないのですが、生水苔がよく育つことで土壌水の吸い上げとイオン交換や酸性化で抗菌できて環境が保たれている……ような気がします。

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