Heliamphora sarracenioides / H.purpurascens / H.sarracenioides x purpurascens #2

前回の記事が7月27日なので、3週間ぶりの更新になりました。パソコンも開けず、なかなか更新する時間が取れなかった、のですが、更新など1時間もあればできるので、こういうのはむしろ気の持ち様ですね(……夏休みだし)。去年よりも暑くなっているような気がしますが、僕も高山植物たちと暮らして年々暑さに弱くなっているのかもしれません。


さて、Ptari Tepuiに自生するヘリアンフォラ3種の記事です。
H.sarracenioides ヘリアンフォラ・サラセニオイデス
前回の記事は2014年5月19日でした。大雑把に、およそ一年ぶりの栽培記録ということになります。とはいえ、何か変わったかと問われるとまた苦しいところなのですが、とりあえず幼葉返りしてしまったのがまた成葉になっています、というくらいでしょうか。

2014/5/18
以前の記事で水槽からワーディアンケースに移したら成葉から幼葉になってしまった、という内容を書いたと思いますが、結局記事のあとすぐ、次の葉から成葉に戻ったのでした。
2015/8/15
割合、葉も綺麗な状態で残っているようで、ようやく「らしさ」は見られるようになっただろうか、といった具合です。しかし、生長は非常に遅いですね。大きくなるのに比例して遅くなるような気さえします。栽培下であってもおそらくこの2倍ほどのサイズにはなると思われるので、まだまだまだまだ。
一方、こちらは上の株から株分けしたものですが、ストレスもなく次々と葉を展開しており、生長速度も上の株よりもいくらか早く、体感なので曖昧なものの1.5倍速くらいはあるような印象です。株分けなので全くのクローン株であり、かつ並べて栽培しているのにもかかわらずこうした差が生まれるのは一体なぜなのか、見当がつきません。ヘリアンフォラは奥深い……。

捕虫葉の拡大です。普通ヘリアンフォラのピッチャー内壁には逆毛がびっしりと生えるものですが、本種はつるつると皮のようであり、本来は毛穴であるようなところには蜜腺があるようです。朝早くの湿度が高い時間帯には、この穴から蜜が分泌され、水滴がぴっしりとついて綺麗です。よく言われるようなネクタースプーンが欠如した種、というよりもピッチャー上部が丸ごとネクタースプーンの性質を受け持った構造をしているように感じます。
数年前、食虫植物の栽培を再開するにあたって、かつて好きだったヘリアンフォラについて色々と調べていた際に本種を見たときの驚きはやはり大きかったこともあり、なんとなく思い入れがあって惹かれる品種です。

H.purpurascens ヘリアンフォラ・プルプラセンス
こちらは前回記事にしたのは2014年11月9日でした。まだ一年たっておらず、ちょっと早い気もしますが、やはりH.sarracenioidesとセットのほうがなんとなく座りがいいような気がして……。
とはいえ、上の写真は前回記事にしたAW由来ものものではなく、チェコのBestCarnivorousPlantsからのものです。この由来はまだ記事にしておりませんでしたし、そもそも記事にしないと記録写真すらあまり撮らないようなものぐさな性格なのでw

2015/8/16
右端にちらっとアルミが見えるように、温室の一番手前側、光の入る窓から最も遠い位置にあります。ゆえにちょっと光が足らず、緑色がちで本領発揮ではないのですが、それでもAWの個体とは開口部に違いがでます。

こちらがAWの個体。他のヘリアンフォラと水苔に埋もれてしまってしますが、しかし、ネクタースプーンは大きめで開口部に覆いかぶさる感じが出ています。AWとBCP、いずれもH.purpurascensの範疇でしょうが、これだけ形に出ると面白いなと思います。

こちらは再びBCPの別個体です。
BCPから輸入すると子苗の塊で来ますが、それを分けて植え付けたものです。前の株よりもいくらか大きなサイズになってきたと思います。
新しくできたピッチャーが開きかけています。BCPはPtari Tepuiにまで行って種子を採取してきたらしく、こうして見ると先がやや尖っているあたりH.sarracenioidesの遺伝子を感じさせるような気がしませんか。……気のせいかもなぁ。

H.sarracenioides x purpurascens
長くなりましたが、最後、両者の交雑種です。現在、BCPがいくつかのフラスコを維持しているようです。
両親を見た後だと、しっかり両者の中間的形質が発現しているように感じます。ピッチャー上部ハ無毛で蜜腺が多く、分泌された蜜で濡れているのがH.sarracenioidesの血、ネクタースプーンがしっかりとスプーン状に形成されて開口部にかぶさる全体的な形はH.purpurascensの血、そんな気がするのはそういうふうに見ようとしている所為でしょうかw

2015/8/16
しかし、この交雑種は交雑種らしく生育旺盛かと思いきや、うちの環境では全くの逆で、成葉は出すものの殆どサイズアップしない状況が続いているのです。そもそも一年やそこらで結果を求めるな、という声もありそうですが、しかしなかなかもどかしく感じます。これとさして変わらない鉢があと2鉢あります。両親を思えば、この3,4倍のサイズにはなるはずなので、努めて気長に待ちたいです。

コメント

  1. 新国立競技場がどうたらって話しを聞くたびに、前の国立競技場を壊してしまってよかったのか? と疑問に思うことがあります。残しておくべきだった、と思いますね。
    BCPの成葉つきのヘリアンフォラ、この春枯らしてしまいました。幼場は残ってますのでやり直しです。H.sarracenioides x purpurascensです。やはりクセがあるみたいです。

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    1. 同感です。改修でよかったのではと思いますが、すっかり更地になってしまっては後の祭りですね。もともと改修計画の調査をしていたはずですが一体いつのまに巨額箱物公共事業に……。

      交雑種なのに原種よりも繊細な印象がありますね。葉長が5cmくらいしかないのに、いかにもか弱い成葉を出してしまう辺りが不安感をあおりますw 成葉が増えても株の根元が細いままなのも気になりますね……。

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  2. 植物が好きで、中年米にはよくいっています。今は日本ですが、ほとんどが海外暮らしで、植物栽培は、今はしていません。レパンテスは好きで、良く買っていましたが、良く枯らしました。どの植物も良くできているようで感心しました。がんばってください。

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    1. コメントありがとうございます。

      中南米の植物は本当に魅力的で憧れが尽きる事はないですね、自分もいつかは必ず現地に赴き、この目で自生地を見たいです。
      ありがとうございます。そう言っていただけると励みになります。植物と向き合い、長く続けていきたいです。

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  3. 食虫植物農園の山田と申します
    現在当サイトのリンクのページを更新する為に現在活動的なブログやHPを探しております、是非貴方のページをリンクさせていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。
    もし何かしら不都合な事があるようでしたら下記までご一報いただければ幸いです
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    山田

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    1. ありがとうございます。
      問題ございません。よろしくお願いいたします。

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