Nepenthes tenuis #1

先日コンタクトレンズを踏みつぶしてしまいまして、ガラスのハードレンズを使っていたので一日使い捨てのもののように替えがあるわけではなく、突然の痛い出費です……。最近歯も抜いたばかりでして、歯科に眼科に、今月はやけに病院にお世話になる月で何だか不吉です。こういうときは振り子のように逆に何か良いことがあるものだと思うので宝くじを買おうかな、と……w
そういえば、下書きに眠ったままだったN.diatasの記事も同時に公開です……書いたことすら忘れていました……。マイナーもマイナーな種なのでブログの肥やしになれば、くらいのつもりです。

N.tenuis ネペンテス・テヌイス
スマトラ島の標高1000-1200m地点に自生する(準)高山性ネペンテスで、種小名tenuisはラテン語tenuis(そのまま!)に由来し、fine、thin、slenderを意味するのだそうですが、どうやらこれは細く伸びていく草体を指すようです。若いうちは小さなロゼットを形成しますが、成熟すると現地では6mにも伸びてゆくのだとか。ネペンテスに本当の意味での「小型種」など存在しないのだと思ってしまいますね。栽培下でもピッチャーは7、8cmにはなるようで、Christian Klein氏の栽培品のように無数に伸びた蔓の先から所狭しと袋をぶら下げている様は胸をくすぐられます。
ずんぐりとしたピッチャーに斑点模様が可愛く、いつか栽培したいとずっと思っていた原種です。

個人的にはまだ開いたばかりで襟の突っ張ったこの感じが好きです。消化液は他のスマトラ島ネペンテスに違わず、ローションのように糸を引くほど粘つき、水遣りのたびに苦労します。消化液は袋の完成後には再分泌されない、というのを何処かで読んだ記憶があったんですが、本種は空になってもまたいつの間にか粘度の高い液で満たされています。

2015/9/17
新参者で、この春4月にWistubaからはるばるやってきました。前評判通り、たしかに今のところ生長は早いです(水苔植えということもプラス要素かもしれません)。葉の展開速度は他種と変わらず1枚/およそ1ケ月ですが、サイズアップがスムーズですね。下画像の茎の根元に枯れた葉がありますが、それが数か月前うちに来た時のサイズで、最新の葉はその3,4倍になっています。たまたまかもしれませんし、今後躓く可能性もありますが、現状、安心できる生長を見せてくれています。用土の過湿を嫌うらしいので、パーライトを多めに混ぜ込み、かつ水苔がやや湿ってふわふわとした状態に保たれるように意識しています。
しかし毎度のことながら、この株がつい半年前にはドイツにいたんだと思うと不思議な気がします。ドイツの郊外から東京、都会のど真ん中に連れてきてしまったが元気でいておくれよ、といった感じですw

N.tenuis reddish leaves
今年春にWistubaよりリリースされたばかりのN.tenuis rediish leavesです。reddishというだけあって、たしかに葉は赤い。大して日に当てなくても葉脈は赤く染まるようです。ネットで流れている画像等見当たらないのでこれが初、ということになるんでしょうか。とりあえず紛い物ではなく、ちゃんとreddish leavesで安心しました。

上の通常クローンと同時入手なのですが、こちらはようやくN.tenuisらしくなったかな、という程度。来たときから一回り小さかったので、まぁこんなものかという具合ですが、なんとなく比較的緩慢な印象はあります。通常クローンと同時期のピッチャーを比較すると、こちらの方が斑点の色が濃く、ピッチャーの下の方まで続いています。せっかくなので全く雰囲気の異なるものになればいいなぁ、と思っていますが、果たして。

コメント

  1. N.diatasはNepenthes of Sumatraで初めて知りましたが、もうちょっとつるんとした色合いは真っ赤な個体が載っていました。毛が生えているようには見えませんでした。ただ、カイガラムシかなんかの虫がいついてて、うへぇ、と思った記憶があります。ほしいな、と思いつつ入手の機会がなく。w 襟がかっこいい。
    N.tenuisも先の本で。ただカラーではなく白黒の小さな写真だったようです。昨年の高井戸集会へこれの脇芽挿し木苗を出したのですが、当日の目玉商品として持ってゆきました。多くの人が見逃す中、ベテランさんがお買いあげに。w さすがじゃわいと恐れ入った次第です。w
    うちのはグラシリスのように細く、上に伸びるタイプです。袋のつきはよくないですがたまにつく袋は貫禄を感じさせます。

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    1. Ndiatasは栽培品でもつるんとしたものが多いので、BEのクローンの差か、大きくなるとまた変わってくるのかもしれないです。自生地画像が少なくて僕も数枚しか見たことないので自分の手で大きくしてみたい種のひとつです。マイナー種で埋もれがちなものの、なかなか魅力的な原種だと思っていますが、取り扱い自体もあまりないですね……。
      N.tenuisの挿し木苗……!もしも昨年参加できていたら僕が買いたかったです……w ベテランの方は品種ごとの知識もその価値もすべて頭に入っているんでしょうね。本種は他のスマトラネペンに似た部分がありつつも、ピッチャーの膨らみ方や模様に独特の味がありますね、仰る通り「貫禄」という言葉がしっくり来ます。

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  2. すみません、初心者ので教えて頂ければ助かります。
    ネペンテス・テヌイスですが、温度管理は何かの対策されていますか?
    後、キレイな水苔を使われているようですが、種類を教えて頂け無いでしょうか?

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    1. お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。

      昨年は水槽用クーラーを使用した場所に置いてありましたが、今年はルームクーラーのみで管理しました。個人的な感覚ですが、冷やすよりも湿度を保ってよく水を遣るのがいい気がします。

      すみません、水苔の種類に関しては確信をもって言えるわけではないのですが……おそらくオオミズゴケだと思います。関西にお住まいの方からヤフオク経由で購入したものです。

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    2. どうもありがとうございました。
      参考にさせて頂きます。

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