Nepanthes glandulifera #1

一年近く前の「撮影ボックスで写真を撮ってみる」という記事が昨日だか一昨日だかだけで100近く閲覧されていて、なぜか This week's most popular postsで1位なんですね、なぜ……? ただせっかくだから今年も撮ってみたいなと思いつつ、背景のフェルト布が埃まみれなので、その掃除からせねばならず億劫なままです。マクロクリニウムが開花したのでせめてそれだけでも黒背景で撮りたいのですが(いつ枯れるかわからないのでw)。 

N.glandulifera ネペンテス・グランジュリフェラ
ボルネオ島サラワクのMt.Hoseの標高1100-1700mにのみ自生する高山性ネペンテスです。種小名はglandis=gland, ferre=to bearから、やはりこの植物体全体を覆う黒い蜜腺を指すようです。小型種かた中型種、というイメージでしたが、Field Guideによると、アッパーピッチャーは19cmにも及ぶらしく、ぜひどのような様か見てみたいのですが、ネット上のみならず専門書にある写真も栽培品ばかりで叶いません。ホセ山のネペンテス調査があまり進んでいないせいでしょうか。

1,2枚目の画像からもうかがえる通り、蓋の裏やピッチャー側面のみならず、ツルや葉脈に沿って蜜線が点在しており、常に水滴がついている状態でちょっと世話をしたり葉をずらしたりするだけでべたべたと手が汚れます。黒カビになりやすいような気がして舐めたことはないのですが、それなりに甘いんじゃないですかね。
下の画像は加湿器の試運転をしたまま眠りに落ちてしまった際、翌朝本種の毛という毛に結露しているのを収めたものです。N.veitchiiの剛毛とはまた違った、繊維のような細い毛がびっしりと植物体を覆っています。サイズのわりに意外にも(?)地生種だそうで、3mほどよじ登って伸びていくそうですが、となるとこの毛は木肌から滑ってしまわないように生えているものでしょうかね。

2015/10/19の草体
温室の隅に鎮座しております。傍に並ぶLepanthesの葉を押しのけて大きく葉を広げていっています。Highlandというよりintermediateなのでしっかり冷やすよりも多少暑いくらいの時期のほうがサイズアップが順調な気がしますが、……気のせいかな。葉は1枚/1ヶ月のペースで標準的。スペースを圧迫しつつあるので、できればこのサイズのままアッパーが見たいのですが……!

N.glandulifera x ephippiata
こちらはN.glanduliferaを片親に持ったEP作出の交配種です。花粉親のN.ephippiataがホセ山のものだそうで、「まだ発見されていないがもし自然交雑種がいるならこんな感じだろう」という一点のみで買ってしまったものですw N.glanduliferaの毛や蜜腺をN.ephippiataで中和した感じ。両親ともアッパーは大口なので、なかなか格好いいものになるようですが、しばらくこのサイズでいてくれたほうがありがたいですw

コメント

  1. 高井戸で、○んま先生のN.lowii,蓋に付いていたあの白い蜜、ほんの少し舐めてみました。青臭い、不思議な甘さでした。
    N.glandulifela、手がべとべとしそうで敬遠しとります。w 魅力的だとは思いますが。Heartmeyer氏がEPを訪問したビデオで初めて見ました。毛深いのとあちこちにある黒い分泌腺と思われる点が印象的ですね。ただべとべとがいやで。。。。w

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    1. あ、あの蜜舐めたのですか! 僕は匂いだけで嗅がせてもらいました……透明ならまだしも白くてモコモコっとしているとおどろおどろしい感じがして……w

      他の種の世話をしている時も腕にこすれたりするとすぐにべたっとして気になりますが、それもまた個性が強いということで良しとしていますw 個人的には蜜より、蜜腺の黒い点々が葉裏や茎にびっしり不規則についている様にむずむずと嫌な感じがしますw

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  2. グランデュリフェラは毛も特徴的ですがピッチャーも面白い形をしていますよね!

    ネペンの蜜は糖度40近くと精製前の蜂蜜位甘いので自然界でもアリを呼んで他の害虫から身を守っているのかも。

    EPのグラ×エフィピは私も栽培していますが物凄く成長速度が速いです。ピッチャーも派手で大きくなりますよ!

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    1. コメントありがとうございます!

      かたちもいいですよね。特にアッパーの大口で胴体も膨らみのある感じが個人的にツボです。

      40%もあるのですか!ジャングルの中では飛びぬけて高そうですね。
      本種を見るたびにこれだけ蜜腺を作る必要なんてあるのかと不思議に思っていましたが、なるほど確かにアリと共生関係であるという可能性は大いにありそうです!思いもしませんでした。(しかしビカルとアリの共生関係が証明されたのですらつい最近なので、ホセ高山となると一体いつになるのでしょう…w)

      グラxエフィ栽培しておられますか!エフィピアタがアッパーになって色濃くなるタイプなので交配種も晩成型でしょうか。派手になるとのことで楽しみです。

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