Heliamphora tatei #2 / H.neblinae #3

H.tatei var.tatei ヘリアンフォラ・タテイ
前回の記録が2014年4月なので、およそ一年半ぶりの本種です。Cerro Duida, Cerro Huachamacari, Cerro Marahuacaに自生し、種小名はアメリカの探検家・動物学者のGeorge Henry Hamilton Tateに献名されたものです。1928年に発見され、1931年に記載、とヘリアンフォラのなかでも発見が早いんですね。
急に大きくなったりはしませんが、じわじわと成長を続け、20-25cmくらいにはなってくれたかな…?日によく当てるとがっしりとした葉を真上に伸ばしてくれ、大型種のわりに場所をとらないのはありがたい反面、本来真っ赤に染まる種ではないためか、赤みがなかなか綺麗に入りません。
本種は比較的株別れもしやすく、今年の浜田山集会でもいくつか販売させていただきました。

H.tatei Cerro Huachamacari
H.tatei Cerro Marahuaca
産地ごとに一体どんな特徴があるのか、いまだによくわかりませんw 上の写真も比べてみれば印象が異なるような気はしますが、これはむしろ置き場所によって日の当たり具合が異なり、やや違いを生み出している、と言ったほうが正しいかもしれません。Cerro Duidaのものもほしいのですが、Wistubaのサイトではいつ見ても在庫切ればかりですね。H.neblinae Mysterious GiantがかつてH.tatei Cerro Duidaとして売られていたものだとかサイトのどこかに書いてあったような気もします。そういえば、本種にそっくりなH.macdonaldaeというのもあるらしいですが、こちらはWistubaにもなく、いつかクローン化されることはあるんでしょうか。
現地では50㎝になるそうで、この2倍だと考えると全くの別物ですね……w 栽培下では大きくて40㎝ぐらいではないかという気もします(が、Exotica PlantsのFacebookページに本種の画像がアップされているのですが、50㎝くらいありそうなピッチャーが1,2本あったような。とはいえ、オーストラリアの地の巨大な温室、ということであまり一般の参考にならないですね)。

H.neblinae Cerro Neblina
こちらはおよそ一年ぶりの栽培記録です。鉢増しをしてやった分だけ大きく育ってくれたように思います。一番大きな葉は25㎝を超え、すでに我が家では大株に数えられるようになってきました。最初に栽培記録をつけ始めたときから思えばずいぶん大きくなってくれて、なんだか親心みたいなものも抱きますねw 現在15㎝四方の鉢に水苔とパーライトの混合用土に植わっています。
H.neblinaeらしいピッチャー。
上から見ると、ネクタースプーンが意外に丸いことがわかりますね。かつてはH.tatei var.neblinaeでしたが、こうしてみると近縁であることは感じられこそすれ、全然似ていないですね。

どちらの種も、成長自体は20㎝を超えたたりから、やや遅くなったような気がします。来年の記事でどちらかが開花でもしてくれたらいいなぁなどと考えていますが……気が早いかw
これらの直立した葉を伸ばす原種は年月を経ると基部が木質化して上へ上へと伸びていくそうで、やはり現地のような草姿にあこがれもありますし、いつか実現できたらなぁと思います。

コメント

  1. Mysterious GiantとCerro Duidaのtateiはこちらで育てた感じだと確かに殆ど同じような感じですね。HuachamacariとMarahuacaのtateiは、株全体が黄緑色で赤い葉脈が入らず、新芽も明るい黄緑色をしていて葉は根元から直立するのに対し、Mysterious GiantとCerro DuidaはH.neblinaeのように開口部に極うっすらと赤い葉脈が入り、新芽も赤みを帯びて葉は根元でやや斜上してから上に立ち上がります。やはりどちらかと言えばtateiよりもneblinaeの方に近いでしょうか。AWのCerro Duidaの中には新芽に赤みを帯びない個体も混ざっていて、個体による物なのか単に株の充実具合による物なのか分かりません。完全な大株まで作り込まないと違いがまだはっきりしないですね。
    画像のtateiもneblinaeも十分開花サイズにはなっていると思うので、今冬か来年には花が咲くと思いますよ。

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    1. なるほど、そういった差があるのですか!ありがとうございます。Mysterious Giantは初売り以降、タイミングが悪くいまだにAvailableとなったのすら見たことがありません(……再販されるんでしょうか)。
      新芽からすでに赤い、というのはやはりH.neblinaeのイメージですね。H.macdonaldaeというのも「Sarraceniaceae of South America」を見る限り、赤い葉脈が入るようで、Cerro Duidaのヘリアンフォラはいずれも似た形をしているのかなと思っています。
      まだAWのサイトにH.tatei Cerro Duidaがあるということは、やはりいくつかクローンがあるということだと思うので、来春の在庫補充に期待しています。

      >画像のtateiもneblinaeも十分開花サイズにはなっていると思うので、
      なんと、それは楽しみです。期待しすぎない程度に期待しておきます。

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  2. NHK・BSの番組で腰ほどもあるH.tateiをかき分けて進んでゆく場面があってですね、なんともったいない、と思いました。w 確かtateiの分布がないとされてる山で。現地写真では花茎のピッチャーがそのまま株になってるような写真を見ました。その場合見上げるような高さです。
    うちのはMarahucaの物ばかりです。AW氏はDuidaのフラスコ、トラブル起こしたみたいでオーダー受けた後キャンセルさた事がありました。red plantというのはもう出ないのかも知れません。

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    1. 分布がないとされている山、というのは面白いです。やはりテプイの隅々までは調べ尽せないんでしょうね。AW氏はMysterious Giantの紹介で「H.tatei Cerro Duida産として入手した種だったが、育ててみたらH.neblinaeだったのでCerro Duida産ではありえない」という旨を記していますが、Cerro Duidaもあれだけ広いのだからH.neblinaeっぽいヘリアンフォラもあるんじゃないかなと思ってしまいます。
      しかし、tateiをかき分けて、なんてシーンは見ていられないです……w

      一昨年の冬にY’sさんの代行輸入でH.tatei Cerro Duidaを確保してもらったのですが向こうの配送ミスでダメになり、春に再度送ってもらうかキャンセルするか、ということがありました。僕はキャンセルを選んだのですが、まったくAvailableにならないのを見るたびに「あー選択を誤ったな」という念が込み上げますw

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