Nepenthes rigidifolia #1

最近発見されたDroseraの新種D.magnificaの画像を見たのですが、あまりの立派さにハッとしました。1mを超える草体はちょっとした低木のような雰囲気さえあり、また湿地というよりもネペンテスのあるような高山の、風の強そうな斜面で灌木にまぎれて生えているのが印象的でしたね。ちょうどPalawanのN.leonardoiの自生地映像を思い出しました。しかし、もしあれが栽培下に導入されたとして、苗から1.5mにするのはどれくらいの期間が必要なんでしょうかね、あの枯れ葉の密集した茎から長い年月を感じます。

N.rigidifolia ネペンテス・リジディフォリア 2月に入手したばかりの新参者です。
スマトラ島北部、標高1000-1600mに自生する高山性ネペンテスで、2009年に記載され、種小名rigidifoliaはラテン語rigidus folia(=rigid leaves)に由来しその硬い葉のことを指すようです。発見自体は記載よりもいくらか早く、かの有名なCh'ien Lee氏によって2001年になされています(1998年だという記事もあります)。2004年に彼が非公式ながらN.alpicola(のちにN.aptera)と名付け、この名前でいくらかが栽培下に流通したらしいですね。JCPSさんのホームページにその本種の探索記のようなものがあり(N.apteraと紹介されています)、そこで自生地画像を見ることができます。
Borneo Exoticsから一度リリースされただけで、現在はMalesiana Tropicalsのみでしか扱っていないためか、魅力的ながらいまひとつ普及していない印象のある種です。

種小名の由来にもなった葉。たしかに厚みがあり、殆どしなることなくピッチャーをぶら下げています。また、蔓の出方も特徴的で、若干葉の内側から、丁度ラジャの若い株のような形で伸びてゆくようです。
苗のときの袋は唇に光沢があって綺麗です。また、蓋があいてからもやや大きく広がっていきます。同じスマトラ島のN.spectabilis、N.bongso、N.ovata等と近縁だそうですが、この口元を見るとやや個性的な印象を受けますね。クリックして拡大していただけるとお分かりいただけると思いますが、一色塗ではなく、白く透けた感じのまだら模様があり、飴細工や瑪瑙の工芸品を思い出させるような美しさがあります。
一方、ボディーの模様はN.spectabilis(色合い等も考慮するとうちのN.spectabilis x aristolochioides)にそっくりです。翼の部分にも細かい模様が出ているのが面白い。

2015/7/27
2月に入手して、今までに5枚展開しているので、丁度1枚/1ケ月のペース。入手後一回り小さくなりましたが、最近サイズを取り戻して来た感じがあります。まだ半年にも満たない付き合いですが、硬い葉の割に比較的生長も早めで丈夫な印象があります。
現地での個体数も少なく、絶滅に瀕している種だそうで、この株自体はフラスコ苗ではありますがやはり大切に長い付き合いにしていきたい株です。30cmくらいに育て上げる事ができれば、襟が発達した渋い色合いのピッチャーが拝めるだろうと思いますので、まずはそこを目標に……と考えています。

コメント

  1. D.magnificaは凄いですねぇ。花が何かに似てるなぁ、と思っていたのですがタコノアシでした。w 
    N.rigidifoliaは正直全くノーマークでした。何かの交配種と言われても、ああそうか、とうなずいてしまいそうです。所詮全てのネペンテスをカバー出来るわけはないので、ビビビ、と来た物だけを集めるようにしてます。w 

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    1. タコノアシ、調べてみたのですがこれはそっくりですね!本当によく似ています。
      しかしD.magnificaはあれだけ分岐した花茎も、草体のサイズも、どれをとっても規格外ですね。

      僕も当初は「N.spectabilisのさらに地味なやつ?」くらいの認識だったのですが、このページ(http://www.infojardin.com/foro/showthread.php?t=154173&page=55)の開きかけのピッチャーを見て、突然「ビビビ」と来ました。ただ僕は派手・地味、細い・丸いのも大体好きなのでビビビとくる範疇が広いほうなのかもしれませんw

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